東京地方裁判所 昭和27年(ワ)6158号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
(事実及び判斷)被告は本件約束手形に振出人たる訴外会社の署名捺印の次に之と並べて署名捺印したけれども右は訴外会社と共同振出人としてなしたものでなく手形保証の趣旨でなしたものであり、且つこのように振出人の署名の次に之と並べて署名捺印がされてある場合は之を手形保証をしたものとみなす商慣習が存し、被告の署名捺印は之によつたものであると抗弁した。
判決は被告の主張を排斥しつぎのように説明している。曰く
「約束手形における手形保証人の債務は主たる債務たる振出人の債務に対し従たる関係に立つものであるから、約束手形面になされた単純なる署名捺印が手形保証たるには其の形式により右の関係を窺い知ることを得るようになされてあることを必要と解すべきところ本件約束手形には手形金の支払を約束した文言及振出年月日の次に訴外会社の署名捺印と被告の署名捺印とが併存してなされてあり、その次に名宛人として原告の氏名が記載されてあり、右訴外会社の署名捺印と被告の署名捺印との間には格別右の主従の差別がなされてある事跡を認めることができないから両者は共に振出人の署名捺印と解すべく、被告主張のような商慣習の存することを認めるに足る何等の証拠もないから被告の右主張を到底之を認容することはできない。」